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労働審判は、裁判とは、どう違うのですか?

最終更新日 2015年 02月12日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

通常の裁判も、労働審判も、裁判所で行われる手続きである点で共通しています。
 
しかしながら、労働審判は、労働紛争を解決する手続きについては労働者が利用しやすいことが望まれることなどの理由から、通常の裁判よりも、迅速且つ柔軟な解決ができるように設けられた制度ですので、通常の裁判と比べて、以下のような違いがあります。
 
まず、労働審判の対象となる事件は、労働紛争に限定されています。
 
具体的には、会社と労働者との間で、解雇、雇止め、出向、配転、懲戒処分等の効力を争う場合、賃金、退職金、時間外手当、解雇予告手当、損害賠償等を請求する場合などです。

これに対して、会社と労働者との間の単なる金銭貸借に関する紛争や、公務員に対する懲戒処分の取消し(行政事件)等の事件は、通常の裁判とは異なり対象となりません。
 
また、労働審判では、労働者が利用しやすいように手続きが迅速に終了することが求められています。そのため、何度も期日が重ねられる通常の裁判とは異なり、原則として申立てがあってから3回以内の期日で審理が終了します。
 
更に、労働審判では、実効的な紛争の解決のために、通常の裁判と比べて柔軟な審理・判断が行われます。

具体的には、通常の裁判では、裁判官だけで審理・判決が行われますが、労働審判では、裁判官1名に加えて、労働関係に関する専門的な知識経験を有する民間人2名で構成される労働審判委員会が、過半数の決議により、審理を行います。
 
そして、労働審判では、まず調停(話合いによる紛争の解決)が試みられ、調停が成立しない場合であっても、事案の実情に即した解決を図るために相応な労働審判を言い渡すことができます。

具体的には、例えば、従業員が解雇は無効であるとして従業員としての地位の確認を求めた場合、通常の裁判では解雇が無効であるか否かを確認することを内容とする判決しか下すことができませんが、労働審判においては、解雇が無効であることを確認すると共に、従業員が会社を自己都合退職したことを確認し、他方で解決金を会社が従業員に対して支払うことを内容とする審判を行うことなどができます。
 
なお、このような労働審判に対しても、各当事者は異議申立が可能であり、その場合には訴訟手続きに移行することになります。

また、上記の他にも、労働審判では、申立費用が通常の裁判の半額程度となっていること、原則として非公開であること、書面ではなく主として口頭で争点の整理、証拠調べ等がなされる(口頭主義)ことといった違いがあり、労働者が利用しやすいような制度となっています。

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