労働審判を申し立てられると、会社に不利益はありますか?

労働審判を申し立てられると、以下のとおり、第1回期日までの短い期間の間に迅速に相手方の主張に対する反論を組み立てなければならず、緊急の対応を迫られるという不利益があります。
 
まず、労働審判手続とは、労働審判官(裁判官)1名と労働関係に関する専門的な知識と経験を有する労働審判員2名で構成された労働審判委員会が、個別労働紛争を原則として3回以内の期日で審理を行い、適宜調停を試みながら、調停による解決に至らない場合には紛争の実情に即した解決をするための労働審判を行うという紛争解決手続です。
 
この労働審判では、「労働契約の存否その他の労働関係に関する事項について個々の労働者と事業主との間に生じた民事に関する紛争」であり、具体的には、会社を解雇された場合の地位確認請求や未払残業代請求、会社を相手方とするハラスメントによる不法行為に基づく損害賠償請求などがその対象とされます。
 
労働審判が、従業員や元従業員によって申立てがされますと、裁判所から会社に申立書とともに第1回期日の指定及び答弁書作成期限記載された呼出状が送付されます。
 
この第1回期日は、申立日から40日以内に指定され、答弁書の提出期限が、第1回期日の5~7日前に指定されますので、労働審判を申し立てられると、約1か月で申立人が主張する事実の確認や、必要であれば反論のための証拠を吟味し、その後の見通しにしたがった解決方針を決定し、答弁書を作成しなければなりません。
 
そして、裁判所(労働審判委員会)は、第1回期日に大まかな心証を持つことになりますので、答弁書の巧拙が審尋の際の質問の組立や心証形成にも大きな影響を及ぼすことを十分に理解しながら短期間で答弁書の内容を充実させることが何よりも重要です。
 
このように、第1回期日までの約1か月の間に適切な反論を構成しなければならず、迅速な対応が求められますので、労働審判の申立書が会社に届いたら、専門家である弁護士にすぐに相談をしましょう。
 
また、労働審判では、解雇や未払い残業代が問題となるケースが多くなっておりますので、就業規則の見直しや就業規則に従った運用がされているかを再度見直すことで未然に労働審判が申し立てられることを予防するとともに、従業員やその代理人から内容証明等が届いたら労働審判の申立てがされるサインですので、早急に弁護士に相談しましょう。