• お問い合わせはこちらから
メニュー

さらに攻め込む損害賠償請求!!

最終更新日 2015年 06月26日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

社員が第三者に損害を与えた場合、会社も責任を負いますし、社員が直接会社に損害を与える場合もあります。このように社員が会社に直接・間接に損害を与えた場合、会社としては社員の解雇だけでなく、会社に生じた損害につき社員への損害賠償請求をすることが考えられます。

 

損害賠償請求は、損害額や社員の資力によっては、行っても経済的合理性の観点からは意味がないことも多いでしょう。

 

しかしながら、問題は1人の社員の件だけにはとどまりません。会社に損害を与えた社員に対しては、解雇のみならず損害賠償請求までするという会社の姿勢を他の社員に対して見せることも重要です。その意味で、損害賠償請求もぜひ検討してください。

 

たとえば、製薬会社の社員が、会社の新薬に関する重要な機密情報を他社に漏洩し、会社に多大な損害が生じたとします。会社としては、当然その社員を懲戒解雇とするでしょうし、その解雇自体何ら問題なく認められるでしょう。

 

ここでさらに、会社に生じた損害について、その社員に損害賠償請求することが考えられます。しかしながら、会社に生じた莫大な損害を賠償する支払い能力は一個人には通常ないでしょう。会社としては請求をしても徒労に終わるので、請求しないという道を選択することも考えらます。

 

しかし、そうすると社員へのペナルティは懲戒解雇だけということになります。もちろん懲戒解雇は重い処分ですが、他の会社に就職できてしまえば社員のダメージは少なくて済みます。情報を売り渡した先の他の製薬会社に就職するということも考えられるでしょう。会社に多大な損害を与えながら、その後のうのうと仕事に就けるのであれば、まとまった金銭と引き換えに、会社の機密情報を漏らす社員が後を絶たなくなります。

 

その意味で、損害の完全填補は難しいとしても、損害賠償請求を行い、判決をもって新たな就職先の給与を差し押さえ続けるなど、会社としての徹底した強い姿勢を見せることにより、他の社員に対する抑止力になるのです。

  • 弁護士監修 全60種類 休業・労働時間・就業規則・懲戒・休職・採用・雇用
    派遣・給与・交通費・保険・育児介護・解雇・退職・出向

無料進呈
(114ページ小冊子)

労働関連書式
無料ダウンロード

ご挨拶

印刷用パンフレット
ご相談フォーム

出版物のご紹介

社長が知らないとヤバい労働法