年齢制限について 未成年者を雇用する際の注意点②
15歳以上の者(正確には、満15歳に達した日以後最初の4月1日が経過した者)は、原則としてどのような事業にでも就労させることができます。
ただし、例外的に、18歳未満の者は、重量物の取扱業務などの危険な業務や、毒物の取扱業務などの有害な業務に就労させることはできません(労働基準法62条)。
また、坑内で就労させることもできません(労働基準法63条)。
15歳未満の者(正確には、満15歳に達した日以後最初の3月31日が終了するまでの者)は、原則として就労させることができません(労働基準法56条1項)。
ただし、例外的に、非工業的事業であること、児童の健康及び福祉に有害でなく、かつ労働が軽易であること、行政官庁の許可を得ていること、という要件を満たした場合、満13歳以上の児童を就労させることができます(労働基準法56条2項)。
13歳未満の児童については、上記要件を満たした上で、映画の製作または演劇の事業に関してのみ、就労させることができます。
上記の年齢制限に違反して未成年者を就労させた場合、雇い主は、労働基準法62条違反の場合には6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金、他の規定違反の場合には1年以下の懲役又は50万円以下の罰金が科せられます(労働基準法119条1項、118条1項)。
雇い主が、知らなかったと主張しても、戸籍謄本の提出や身分証明書、簡単な履歴書すら提出を求めていなかった場合には、違法とされる可能性が高いでしょう。
裁判例でも、16歳9ヶ月から、17歳11ヶ月の7名をコンパニオンとして採用し、宴会場等で酒客の接待をさせていた者について、本人からの申告だけに頼り、年齢についてなんらの調査をしていなかった雇用主の故意を認定し、労働基準法に違反したとして、罰金40万円に処しました。
また、ガールズ居酒屋で18歳未満の少女を働かせていた者が労働基準法違反で逮捕されたという例もあります。