ユニオン・ショップ協定に基づく解雇
①解雇の効力
ユニオン・ショップ協定に基づく解雇は、ユニオン・ショップ制の効用、労働者は当該組合又は他組合に加入することにより解雇を免れうること、使用者は協約上の義務に基づいて解雇するので恣意的な解雇とは異なることから、解雇権の濫用(労働契約法16条)にはあたらないとされています。
②除名が無効な場合の解雇の効力
労働組合からの除名が無効な場合の解雇の効力については、裁判例は、ユニオン・ショップ協定に基づき使用者が解雇義務を負うのは、労働者が正当な理由がないのに労働組合に加入しない場合や、労働組合から有効に脱退した場合、又は労働組合から除名されて非組合員となった場合に限られるため、除名が無効な場合は解雇義務は発生せず、この場合の解雇は解雇権濫用として無効としています(日本食塩製造事件 最判昭和50年4月25日)。