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休憩とは何か?

最終更新日 2014年 09月29日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

労働基準法では、1日の労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に一斉に与えること、そして、休憩時間を自由に利用させるべきことを規定しています(労働基準法34条)。

 

そして、休憩時間とは、労働者が権利として労働から離れることが保障されている時間をいうとされています。

 

休憩時間の長さ、時間帯について

1日の労働時間が6時間を超える場合は45分以上、8時間を超える場合は1時間以上の休憩時間を与えなければなりません。

 

労働時間が8時間ぴったりの場合は、8時間を超えないので、45分以上の休憩時間を与えれば足りることとなります。

 

また、45分、1時間と一括して与えず、分割して付与することも可能です。

 

ただし、あまりにも短すぎ、労働者が事業所などにとどまらざるを得ず、結果その時間を自由に使えない場合には、労働から離れていることが保障されているとはいえず、手待時間であるため労働時間に含まれると評価されてしまうこともあります。

 

労働基準法で規定された休憩時間の長さは最少時間のみで、最長時間については規制がありませんので、45分あるいは1時間を超える休憩時間を与えても差し支えありません。

 

休憩時間は、労働時間の途中に与えればよいので、どの時間帯に与えるかは自由です。

 

一斉付与の原則について

休憩時間は、一斉に与えることを原則としています。

 

ただし、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定(労使協定)があるときは、一斉に与えなくてもよいとされています。

 

休憩時間自由利用の原則について

休憩時間を自由に利用することは当然のように思われますが、労働基準法は、あえてこのことを条文で規定し、休憩時間における労働からの解放を権利として保障することを明確にしています。

 

これは、使用者に対し、休憩時間中の労働者の行動に制約を加えることを禁止した規定であるといえます。

 

ただし、休憩時間とはいえ、始業から終業までの間のいわゆる拘束時間の中であることから、使用者から一定の制約を受けることもあり得ます。

 

行政解釈でも、休憩時間の利用について規律保持上必要な制限を加えることは、休憩の目的を損なわない限り差支えないとされています。

 

したがって、例えば、休憩時間中の労働者の外出について使用者の許可を必要とする許可制とすることは、違法にはならないと解されています。

 

ただし、この許可制も、合理的理由がある場合に最小限度の範囲で許されるもので、正当な理由なく不許可とすることはできません。

 

休憩時間にあたるか否かの判断

上述した通り、休憩時間とは、労働者が権利として労働から離れることが保障されている時間をいいます。

 

したがって、休憩時間にあたるか否かは、労働から離れることが保障されているといえるか否か、すなわち、労働者が使用者の指揮監督から離脱しているか否かで判断されます。

 

例えば、昼休みの時間に、電話当番を命じられた場合、事業所内にいることを義務付けられ、電話や来客があったりした場合には直ちに対応しなければならないのであり、労働から離れていることが保障されているといえないため、休憩時間にはあたらず、手待時間として労働時間にあたります。

 

この場合、使用者は別途休憩時間を与えなければなりません。

 

宿直における仮眠時間については、通常、指定された事業所内等で待機し、火災等の緊急事態に備えることを目的としており、緊急時には直ちに対応しなければならない義務を課せられていますので、労働から離れていることが保障されているとはいえず、労働時間にあたります。

 

裁判例でも、ビル管理会社の従業員の宿直について、ビルからの外出を禁止され、電話の応対や、警報等が鳴った場合には直ちに対応することを義務付けられ、飲酒も禁止されていること等から、仮眠時間中も使用者の指揮命令下に置かれており、労働時間にあたるとしたものがあります(大星ビル管理事件 最高裁一小平成14年2月28日民集56巻2号361頁)。

 

ただし、仮眠時間中には他の交替要員がおり、労働からの解放が保障されているといえる状態である場合には、労働時間にはあたらないとするのが妥当でしょう。

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