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採用面接の際にしてはならない質問とは?

最終更新日 2014年 09月29日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

使用者には、採用の自由が認められています。

 

そのため、採用するか否かを判断するために、応募者に対して質問することは必要なことであり、質問の内容も、原則として使用者の自由であるといえます。

 

しかし、どのような質問でも無制限に認められるわけではありません。

 

応募者の人格的尊厳やプライバシー保護の観点から、一定の制約があります。

 

労働省が出した指針「職業紹介事業者、労働者の募集を行う者、募集受託者、労働者供給事業者等が均等待遇、労働条件等の明示、求職者等の個人情報の取扱い、職業紹介事業者の責務、募集内容の的確な表示等に関して適切に対処するための指針」(平成11.11.17年労働省告示第141号) では、下記のように記されています。

 

 

第4 法第5条の4に関する事項(求職者等の個人情報の取扱い)

1 個人情報の収集、保管及び使用

(1)職業紹介事業者等は、その業務の目的の範囲内で求職者等の個人情報(1及び2において単に「個人情報」という。)を収集することとし、次に掲げる個人情報を収集してはならないこと。

 

ただし、特別な職業上の必要性が存在することその他業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合はこの限りでないこと。

 

イ 人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項

ロ  思想及び信条

ハ  労働組合への加入状況

 

 

 

以上から、人種、民族、社会的身分、門地、本籍、出生地その他社会的差別の原因となるおそれのある事項、思想及び信条、労働組合への加入状況については、特別な職業上の必要性があり、業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合を除いては、質問してはならないことになります。

 

以下、実際に問題になりうる質問についてみていきます。

 

・思想・信条の自由

 

思想・信条の自由については、上述したように、特別な職業上の必要性があり、業務の目的の達成に必要不可欠であって、収集目的を示して本人から収集する場合を除いては質問することができません。

 

職業上の必要性がある場合とは、たとえば、企業の経営に深く携わることになる役員などの採用の際、企業の経営方針と応募者の思想・信条が関連するような場合、質問の目的を示した上で質問することが許されると考えられます。

 

・両親の職業

 

両親の職業については、一般的に、職業上の能力・技能や労働者としての適格性に関連した事項とはいえないので、質問することは避けたほうがいいでしょう。

 

・配偶者や同居の親族の健康状態

 

配偶者や同居の親族の健康状態については、転勤がある業務のような場合には関係してきますので、質問することが許されると考えられます。

 

・負債

 

負債については、一般的に職業上の能力・技能や労働者としての適格性に関連した事項とはいえないので、質問することは避けたほうがよいでしょう。

 

しかし、金融機関での採用、経理担当としての採用等、他人や会社のお金を扱う仕事の場合には、負債の有無は、業務との関連性がありますので、質問することが許されると考えられます。

 

・既往症

 

既往症については、プライバシー性も高いと考えられますが、業務に支障をきたすような内容の既往症であるような場合には、それを知ることが業務の目的達成に必要不可欠であると思います。

 

ゆえに、業務に関連する可能性のある疾病の有無については、その目的を説明した上で質問することも許されると考えられます。

 

・異性との交遊関係

 

異性との交遊関係については、プライバシー性が高く、業務上収集することが必要不可欠な情報とは考えにくいので、質問することは避けた方がいいでしょう。

 

場合によっては、プライバシーを侵害したとして不法行為と認定される可能性もあります。

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