民事保全とは?

社員が裁判による解決を求める場合、自らの権利実現のために会社の財産が流出することなどを防ぐ目的で、訴訟に先立って裁判所に仮の判断を求めることが少なくありません。
このような手続きを「民事保全手続」といいます。

 

社員の側からの民事保全の申立てとしては、①「仮差押」と②「仮処分」があります。

 

「仮差押」とは、残業代などの未払賃金や退職金の請求権を被保全権利として、会社の不動産や動産、預金債権、売掛債権の仮差押えを求めるものです。

 

「仮処分」には、解雇された社員がその処分の無効を前提として、労働契約上の社員としての地位を有することを仮に定める地位保全と、賃金の仮払いなどを求める仮処分命令の申立てがあります。

 

具体的には、会社から懲戒解雇をされた社員が、その懲戒解雇の無効を前提に、雇用契約上の社員であることの確認とともに、解雇後の賃金についての仮払いを求めるケースなどです。
地位保全について認められるケースはなかなか少ない一方で、仮払いについてはその必要性が認められた場合には命令が発令されることになります。
 

 

一方で、会社側から求める仮処分としては、たとえば労働組合が街宣車や拡声器を用いた演説を毎日のように繰り返しているような場合に、その争議行為が違法であるとして、街宣活動の差止めを求めるケースなどがあります。