合併の場合、労働契約はどうなるか?

合併とは、2つ以上の会社が契約により1つの会社になることです。

 

合併には、A社がB社を吸収する「吸収合併」と、A社とB社が合併してC社を新設する「新設合併」があります。

 

いずれの合併の場合でも、存続会社あるいは新設会社が、消滅会社の権利義務を包括的に承継することになります。

 

したがって、合併前の労働者の労働契約も、合併後の会社に包括的に承継されることになります。

 

ですので、法律的には、合併によって労働者の労働契約上の地位が失われたり、労働条件が変更されたりすることはありません。

 

しかし、実際には、合併に伴い、人員削減が行われたり、労働条件が変更されたりすることがよくあります。

 

人員削減の場合は、一般的には、希望退職者を募集することで人員削減を行うことが多いのですが、それでも削減目標に達しなかった場合には、整理解雇を行うことがあります。

 

整理解雇については、①整理解雇の必要性があること、②整理解雇回避のための努力を尽くしたこと、③解雇の人選基準が、客観的・合理的な基準であり、適正にその基準を運用したこと、④解雇の際、労働者への説明、協議を行うなど、解雇の手続きが妥当であることの4つの要件を満たす必要があると考えられています。

 

労働条件については、消滅会社の労働者の労働条件が存続会社に包括的に承継されるとすると、存続会社に合併前から従事していた労働者と異なる労働条件となってしまうことがあり、人事が煩雑になったり、待遇に差が生じることで勤労意欲を削いでしまうことも考えられます。

 

そこで、労働条件を統一する必要性が生じます。

 

労働条件の変更の方法は、具体的には、労働協約あるいは就業規則を変更することで行われ、労働条件が不利益に変更された場合には、その効力が争われる場合があります。