セクハラを防ぐための事前対策(その2)

セクハラを防ぐために、会社が雇用管理上とらなければならない4つの措置のうち、後半2つにつき解説します。

 

③ 職場におけるセクシュアルハラスメントにかかる事後の迅速かつ適切な対応

 

(ア)事案にかかる事実関係を迅速かつ正確に確認すること。

 

職場内の相談担当者、人事部などが、相談を行った従業員、セクハラにあたる性的な言動を行った者とされる従業員の双方から聴き取りを行うことがあげられます。
なお、聞き取り調査で主張の食い違いなどのために十分に事実関係が確認できない場合などには、その他、周囲の第三者から聴き取りを行うこともあります。

 

また、事実関係を把握しようとしたものの最終的に正確な事実関係の把握が難しいような場合には、男女雇用機会均等法に基づく調停の申請を行ったり、中立な第三者機関に紛争の処理をゆだねることなどがこれにあたります。
ちなみに、男女雇用機会均等法では、18条1項でセクハラに関して労働者と会社との間で紛争が生じた場合、紛争調整委員会による調停の申請ができることを定めています。

 

(イ)職場におけるセクシュアルハラスメントが生じた事実が確認できた場合においては、行為者に対する措置および被害者に対する措置をそれぞれ適正に行うこと。

 

事実関係の確認の結果、セクハラにあたる性的な言動が行われたことが確認された場合、就業規則をはじめとする服務規律を定めた文書に記載されたセクハラに関する規定に基づいて、セクハラにあたる性的な言動を行った者に対して、懲戒など必要な措置を講じることがあげられます。

 

また、セクハラ被害にあった従業員とセクハラ行為を行った者との関係の改善や、逆に引き離すための配置転換、被害者の労働に関する不利益を回復するための措置などをとることや、紛争調整委員会による調停、中立な第三者機関による紛争解決案に従った措置をとることなどもこれにあたります。

 

(ウ)改めて職場におけるセクシュアルハラスメントに関する方針を周知・啓発する等の再発防止に向けた措置を講ずること。
なお、職場におけるセクシュアルハラスメントが生じた事実が確認できなかった場合においても同様の措置を講ずること。

 

すでにセクハラ行為があってはならない旨の方針などが明確に定められ、周知されていたとしても、実際にトラブルが起こった場合には、改めて行為者に対して厳正に対処するという方針を社内報に記載して配布したり、ウェブサイトなどに掲載することのほか、研修、講習などを実施して、従業員に周知することが重要です。

 

④ ①から③までの措置と併せて講ずべき措置

 

(ア)相談者・行為者などのプライバシーを保護するために必要な措置を講じ、周知すること。

 

相談を受けた際のマニュアルに、プライバシー保護のために必要な措置を定めて、実際に相談担当者が相談を受けた場合は、このマニュアルに従ってプライバシー保護のため適切な保護をすることがあげられます。

 

また、相談担当者に対して、プライバシー保護のための必要な研修を行うこと、相談窓口では、これらの措置をとって、相談者のプライバシー保護に十分配慮していることなどを、社内報に記載して配布したり、ウェブサイトに掲載して従業員に周知することにより、相談しやすい環境を整えることが重要です。