セクハラを防ぐための事前対策(その1)

セクハラを防ぐためには、日頃からどのような対策を実施しておくべきでしょうか?

 

セクハラに関しては、「男女雇用機会均等法」11条2項において、「厚生労働大臣は、前項の規定に基づき会社が講ずべき措置に関して、その適切かつ有効な実施を図るために必要な指針を定めるものとする。」と定められています。

 

これを受けて厚生労働省は、「会社が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」というものを定めています(平成18年厚生労働省告示第615号)。

 

この中で、会社が雇用管理上とらなければならない措置として以下4つの項目をあげています 。

 

ここでは、前半2つにつき解説します

 

① 会社の方針の明確化およびその周知・啓発

 

(ア)職場におけるセクシュアルハラスメントの内容および職場におけるセクシュアルハラスメントがあってはならない旨の方針を明確化し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。

 

この例としては、就業規則をはじめとする服務規律を定めた文書や社内報、パンフレット、ウェブサイトなどの広報資料に、セクハラがあってはならないものであるとする方針を明確に定めて従業員に周知することがあげられます。
また、セクハラがあってはならないものであることおよびセクハラの具体的な内容などを啓発するための研修、講習などを実施することもあります。

 

(イ)職場におけるセクシュアルハラスメントにかかる性的な言動を行った者については、厳正に対処する旨の方針および対処の内容を就業規則その他の職場における服務規律等を定めた文書に規定し、管理・監督者を含む労働者に周知・啓発すること。

 

就業規則をはじめとする服務規律を定めた文書において、職場におけるセクハラにあたる性的な言動を行った者に対する懲戒規定を定めて、その内容を周知することがあげられます。
また、資料を配付したり研修などを開催して、セクハラにあたる性的な言動を行った者は、すでに定められている就業規則の懲戒規定の対象となることを従業員に周知することなどもこれにあたります。

 

② 相談(苦情を含む)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備

 

(ア)相談への対応のための窓口(相談窓口)をあらかじめ定めること。

 

実際にセクハラ行為が行われた場合などに、従業員が相談できる担当者があらかじめ具体的に定められていることや、カウンセラーなどの外部の機関に相談対応を委託することなどがこれにあたります。

 

なお、「パワハラを防ぐための方法」でもご説明しましたが、担当部署などが定められていたとしても、具体的な担当者まで決定して相談を受ける準備が整っていなければ、問題が発生してから相談を受けるまで時間がかかってしまうことになるのは言うまでもありません。

 

(イ)相談窓口の担当者が相談に対し、その内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。
また相談窓口においては、職場におけるセクシュアルハラスメントが現実に生じている場合だけでなく、その発生の恐れがある場合や、職場におけるセクシュアルハラスメントに該当するか否か微妙な場合であっても、広く相談に対応し、適切な対応を行うようにすること。

 

あらかじめ、相談を受けた場合の流れや留意点をまとめたマニュアルなどを作成し、実際に具体的な相談を受けた場合に、相談担当者がそのマニュアルに沿って相談を受けられる体制を整えることや、受けた相談の内容や状況に応じて人事部などと連携をとることができるような体制を整えることなどがこれに該当します 。