問題社員トラブルから会社を守る!6つの事例集&対処法 その2

事例2:遅刻・早退・無断欠席

今年から新卒で雇い始めた社員が、入社当初から正当な理由が無い遅刻や無断欠席を繰り返しているといいます。また「体調が悪い」といって頻繁に早退もするようです。
風邪などで本当に体調が悪いのであれば仕方ないのですが、他の社員の目撃情報によると、早退した日に合コンをしていたとのことで、虚偽の理由で早退していたことが明らかになりました。

 

社長は、最初の数ヵ月は「まだ学生気分が抜けないのだろう」と注意をしながらも、大目に見ていましたが、もう10ヵ月も経つのに改善の気配が一切ないようです。
このような責任感のない社員を解雇したいといいます。

 

問題点を法的に解説

遅刻や無断欠席、虚偽の理由による早退は、本来果たすべき労働契約上の義務を果たせていないのですから、当然、「労働契約の債務不履行」、すなわち普通解雇事由にあたります。

 

ひとつの問題として、会社としてはどのような手続をとって解雇すべきか、どこまでやれば「解雇権の濫用」と判断されることを回避できるかという点です。
また、普通解雇とは別に懲戒解雇事由に該当するかも問題となります。

 

どう対処するか?


「普通解雇について」
遅刻等の出勤不良は、会社に与えられた仕事をしていないわけですから、債務不履行として普通解雇事由にあたります。

 

しかし、先に述べた解雇権濫用の法理(「当該具体的な事情のもとにおいて、解雇に処することが著しく不合理であり、社会通念上相当なものとして是認することができないときには」解雇権濫用として解雇が無効となるとされるもの)との関係で、一度の遅刻等では解雇は有効とされません。何回もくり返され、その積み重ねによって業務遂行のうえで問題が生じるような場合には有効と判断されるのです。

 

例えば以下のような対応が考えられます。

 

①書面で注意を与える
②3か月程度勤務態度をチェックする。その間、日常業務の中でも注意を与え、その都度、注意内容、反応を記録に残す。
③改善されなければ、解雇以外の懲戒処分(譴責・減給など)を実施
一定期間勤務態度をチェックする。その間、日常業務の中でも注意を与え、その都度、注意内容、反応を記録に残す。
④改善されなければ、出勤停止
⑤改善されなければ解雇

 

なお、遅刻・早退と比べて、無断欠勤はより業務に与える影響が大きいので、例えば、勤務態度のチェックを1ヵ月とするなど、短いスパンで見ていってよいでしょう。

 

懲戒解雇について」
次に、懲戒解雇が可能かどうかですが、実際に認められた例はあります。

 

まず、正当な理由のない遅刻・早退に関して、これが繰り返されれば、企業秩序を乱したとして懲戒解雇が認められます。
認められた事例では、所定の手続をとらず、7回早退を繰り返し、会社からその都度注意され、文書での注意も2回受けたにも関わらず改善せず、過去にも3回同様の問題で出勤停止の懲戒処分を受けていました。

 

会社としては、早退に関して所定の手続を就業規則に定め、それに違反する都度社員に書面で注意し、出勤停止等の懲戒処分を経たうえで、懲戒解雇とすることになります。

 

また、無断欠勤の場合、それ自体企業秩序を乱すものとして懲戒事由には該当しますが、懲戒解雇まで踏み切れるかは、やはりケースバイケースです。
私傷病の場合、診断書等を提出させ、休職させたうえで退職もしくは普通解雇とするほうがよいでしょう。