社員から内容証明が届いたら

社員から残業代の請求を受ける場合、まず最初に内容証明郵便により支払いの請求がなされるのが通常です。

 

一般的には、「残業代○○円が未払いであるから、これを本書面到達後○日以内に支払え」などとして、支払期限が記載されます。そのため、内容証明郵便を受け取った会社の担当者の方が、弁護士のもとに大慌てで相談に来るということが多くあります。特に弁護士名で内容証明郵便が届いた場合には、すぐに訴訟を起こされてしまうのではないかと心配して、あわててしまうのでしょう。

 

しかし、あわてる必要はまったくありません。なぜなら、この内容証明郵便に記載された支払期限は、残業代を請求する社員が勝手に設定したものに過ぎず、法的に意味のあるものではないからです。

 

また、労働審判や訴訟を提起するためには申立書や訴状といった書面を作成し、証拠も準備しなければなりません。そのため、社員が設定した支払期限を経過して入金確認ができなかったからといって、直ぐ翌日にも労働審判や訴訟を提起するということは現実的には不可能といえます。

 

会社としては、社員からの残業代請求の内容証明郵便を受領しても、あわてることなく、落ち着いて内容を確認し、どのような対応をするのが適切であるかを慎重に検討することが何よりも重要です。

 

もっとも、労働基準監督署へ申告されてしまうリスクなどもあるので、指定された支払期日までに回答が間に合わない場合には、「現在、検討中なので追って回答する」といった程度の連絡を入れておくのが望ましいです。