度を越した言葉のセクハラは違法行為です!

ケース6:言葉のセクハラに対する損害賠償請求

 

東京高裁判決 平成20年9月10日

 

●トラブルはこうして起きた
ある店舗の店長が、契約社員に対し、「頭がおかしいんじゃないの」、「昨、夜遊びすぎたんじゃないの」「僕はエイズ検査を受けたことがあるから、○○さんもエイズ検査を受けた方がいいんじゃないか」、「秋葉原で働いたほうがいい」、「処女にみえるけど処女じゃないんでしょう」、「○○店にいる男の人と何人やったんだ」等の発言を行ったため、当該契約社員が慰謝料等の支払いを求めました。

 

●判決内容をチェック
裁判所は、店長の上記発言について、店長の主観的には指導目的に基づくものであったとしても、全体として社員の受忍限度を超える違法なものであり、不法行為となると判断しました。
さらに、上記言動は会社の事業の執行について行われたものであったとして、会社に対し慰謝料50万円、逸失利益99万5616円、弁護士費用20万円の支払いを命じました。

 

なお、会社はこれに対して、セクハラに関する従業員教育を行っており、店長に対しても十分な監督や相当の注意をしていたことなどを主張しましたが、裁判所は、この会社の職場では性的な言動により社員の就業環境が害される場面が見受けられることが珍しくなかったとして、会社の主張を認めませんでした。 

 

●問題を法的に解説
セクハラもパワハラと同様に、その存在が社員の仕事に対する意欲や自信を失わせるため、放っておくと職場全体の生産性が落ちてしまい、会社に対する社会的な評価も下がってしまいます。

 

しかも、裁判例からもわかるように、社員の教育等のセクハラの防止対策は、形式的に行っただけでは不十分です。
実際にセクハラをさせない、許さないという職場の意識、環境を作らなければ、会社はその責任を免れることはできないのです。