パワハラのために社員が自殺

ケース4:パワハラ損害賠償請求

 

名古屋地裁判決 平成26年1月15日

 

●トラブルはこうして起きた
従業員が、設備や機械を損傷するという事故を含むミスを起こすたびに、代表取締役が、頭を叩く、殴る、蹴るなどの暴行を行い、大声で「てめぇ、何やってんだ!」などの汚い言葉で怒鳴って注意しました。
さらに、退職願を書くように強要したところ、3日後に従業員が自殺しました。

 

遺族は、代表取締役のパワハラが原因で当該従業員が自殺したと主張し、会社に対して損害賠償金の支払いを求めました。

 

●判決内容をチェック
裁判所は、代表取締役の暴言、暴行及び退職強要がパラハラであると認め、当該行為は従業員を威迫し激しい不安に陥れるものであるとして、不法行為に当たると認定しました。
そして、本件暴行及び退職強要により急性ストレス反応を発症し自殺したと判断して、不法行為と自殺との因果関係を肯定し、会社に遺族らに対し4511万7506円を支払うよう命じました。

 

●問題を法的に解説
パワハラが行われた場合、当該本人のみならず会社もパワハラを行った者の使用者としての責任を負い、被害にあった社員に慰謝料や休業期間中の給料相当額を支払わなければならない場合があります。
もし、パワハラを原因として社員が自殺した場合には、休業期間中の給料のみならず,将来にわたって生きていれば支払われていたであろう給料相当の損害(逸失利益)も負担しなければならず、損害が数千万円から億単位にものぼることがあります。

 

さらにパワハラは、パワハラを受けた社員だけでなく、周囲の社員にも悪影響を及ぼします。

 

具体的には、パワハラによって、またはその事実を知ることで社員は会社に対して疑念を抱き、仕事に対する意欲や自信をなくし、職場全体の生産性が落ちてしまいます。
結果、一度失われた社員たちの意欲、自信の回復には相当な困難をともないます。
また、パワハラが横行する会社として評判が立ってしまうと、社会的な信頼までもが失われてしまいます。

 

パワハラをさせない、許さない環境を作り会社を守りましょう。