未払い残業代を取り戻すために知っておきたい6つのポイント

未払い残業代訴訟で5億5000万円の請求が!

 

会社と従業員の間の労働トラブルが増えています。

不当解雇、パワハラ・セクハラ、過重労働等さまざまな労働問題がありますが、中でも急増しているのが「未払い残業代」のトラブルです。

 

「残業代3億円未払いと集団提訴 岡山のJA職員214人」
(2016年4月20日 共同通信)

 

岡山県津山市の津山農業協同組合の職員214人が、残業代や休日勤務手当などが長期間にわたり支給されておらず違法だとして、組合に対し計3億円近くの支払いを求めて岡山地裁津山支部に集団提訴しました。

労働基準法で認められる付加金も含めると、請求金額の総額は約5億5000万円にも上ることから判決が注目されます。

 

津山農業協同組合(JAつやま)の正職員は約400人とのことで、半数以上の職員が提訴していることになります。
これだけの規模の未払い残業代請求訴訟は、全国的に見ても異例の大きさといえるでしょう。

 

単純計算すると1人あたり約140万円ですが、これだけの人数の集団提訴となると請求金額は億を超える巨額なものになります。
また、未払い残業代請求訴訟は一人よりも集団で行うほうが有利に進めることができます。

 

あなたは未払い残業代で損をしていませんか?
当然、手にすることができる正当な権利を手放すつもりですか?
残業代について、どこまで知っていますか?

 

もし、未払い残業代請求をお考えなら、まずは正しい法律知識を身につけましょう!

 

【労働基準法とは?】

・1947(昭和22)年、日本国憲法27条の「労働権」の規定に基づいて制定された法律で、「労働組合法」、「労働関係調整法」と併せて労働三法と呼ばれます。

 

・労働者と使用者の双方が守るべき重要な法律で、労働者の労働契約や労働時間、休日、賃金、安全などの労働条件の最低基準について規定しています。

 

【法定労働時間とは?】

・原則として、会社は従業員に対し、1週間について40時間、1日について8時間を超えて労働させてはいけません。
これを、「法定労働時間」といいます。(労働基準法第32条)

 

・会社は、法定労働時間を超えて従業員を労働させた場合、「時間外労働」として「割増賃金」を支払わなければいけません。(同法第37条)

 

【法定休日とは?】

・原則として、会社は従業員に対して、毎週少なくとも1日は休日を与えなければなりません。
これを、「法定休日」といいます。(同法第35条)

 

・法定休日に従業員を労働させた場合、会社は従業員に対し「休日労働」として「割増賃金」を支払わなければいけません。

 

【割増賃金とは?】

・午後10時から午前5時までの間に従業員を労働させた場合も、会社は従業員に対し「深夜労働」として「割増賃金」を支払わなければいけません。
これらの割増賃金を、一般に「残業代」と呼んでいます。

 

・残業代の割増率は次のように規定されています。
1.1ヵ月の合計が60時間までの時間外労働、及び、深夜労働については、2割5分以上の率
2.1ヵ月の合計が60時間を超えた時間外労働が行われた場合の時間外労働については、5割以上の率
3.休日労働については、3割5分以上の率
4.深夜労働については2割5分以上の率

 

・時間外労働をさせて割増賃金(残業代)を支払わなかった場合、6ヵ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処されます。

 

【36協定(さぶろくきょうてい)とは?】

・労働基準法第36条では、会社は、過半数組合または過半数代表者との書面による労使協定を締結し、かつ行政官庁にこれを届けることにより、その協定の定めに従い労働者に時間外休日労働をさせることができると規定しています。
これを、「36協定(さぶろくきょうてい)」といいます。

・届け出をしないで時間外労働をさせた場合も、労働基準法違反として、6ヵ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処されます。

 

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【会社に科される3つの支払い金】

従業員側が「未払い残業代」による民事訴訟を起こし、訴えが認められた場合、会社は次の3つを支払わなければいけません。

 

1.未払い残業代の支払い

認定された残業代の未払い分の全額を支払わなければいけません。

 

2.付加金の支払い

裁判所が必要と認めた場合、未払い残業代と同額を上限とした「付加金」を支払わなければいけません。
会社側の違反が悪質な場合、全額が認められるケースも多くあります。

 

つまり会社は、未払い残業代分の2倍の金額を従業員に支払わなければならなくなるのです。
ただし、付加金は違反があったときから2年以内に請求しなければ無効となりますので従業員の方は注意が必要です。

 

3.遅延損害金の支払い

さらに、未払い残業代と付加金には利息がつきます
これを、「遅延損害金」といいます。
利息の利率は、従業員が在職中であれば6%、退職している場合は14.6%と2倍以上になります。

 

今回の訴訟では、これらの合計金額として5億5000万円という巨額の支払い請求となっているのです。

法律に違反すると、会社側には刑罰が科せられ、未払い残業代の2倍以上のお金を支払わなければいけない可能性があります。

 

労働基準法は非常に厳しい法律であること、そして、従業員側には未払い残業代を手にすることができることを、しっかり認識しておきましょう。

 

なお、未払い残業代の請求は2年間までしかさかのぼることができません。
もし、未払い残業代請求をお考えなら、今すぐ弁護士などの専門家に相談することを強くおすすめします。

 

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