傷病休職制度の利用 心身の故障(2)

傷病休職制度とは、一般的には、私傷病による長期欠勤が一定期間に及ぶ場合に、労働者からの申出あるいは使用者の判断によって一定の期間休職させる制度のことです。

 

休職期間中に労働者が傷病から回復し就労可能となれば使用者が復職を命じ、回復しなければ解雇または自然退職ということになります。

 

実際上、多くの企業で、就業規則に私傷病休職制度設けられているようです。

 

私病休職制度が設けられている場合、その制度を適用せずに解雇した場合には、解雇権濫用と判断される可能性が高いです。

 

ただし、病状等から、休職期間中に回復する可能性がないことが明らかな場合には、休職制度を適用せずに解雇をすることも可能であると考えます(農林漁業金融公庫事件 東京地判平成18年2月6日)。

 

なお、会社としては、従前の職務を通常の程度に行える健康状態に復したことをもって復職としたいところですが、近時の裁判例では、従前の職務を通常の程度に行える健康状態にまで回復していない場合でも、従来の業務より軽い業務であれば就くことができ、その希望がある場合には、使用者は現実に配置可能な業務の有無を検討する義務があるとされています(JR東海事件 大阪地判平成11年10月4日)。

 

また、職務が限定されている労働者について、直ちに従前の業務に復帰できなくても、比較的短時間で復帰が可能である場合には、復帰の準備期間を提供する等の措置をとるべきとされています(全日本空輸事件 大阪高判平成13年3月14日)。