組合活動を理由として懲戒解雇できるか?

労働組合法は、「労働組合の正当な行為をしたことの故をもって、その労働者を解雇し、その他これに対して不利益な取り扱いをすること」を不当労働行為として禁止しています(労働組合法7条1号)。

 

したがって、懲戒解雇の理由となった組合活動が、労働組合の正当な行為に該当する場合には、懲戒解雇は不当労働行為にあたり無効となります。

 

反対に、当該組合活動が、労働組合の正当な行為といえない場合には、懲戒解雇も可能となります。

 

組合活動が正当な行為に該当するか否かについては、当該組合活動の主体、目的、態様等の個別具体的な事情に基づいて判断されることになるでしょう。

 

例えば、組合員が就業時間中にリボンや腕章等を着用することについては、労働契約上の誠実労働義務に違反し、就業規則等で禁止されている場合には当該規定にも反することになるため、原則として正当な行為に該当しないと考えられます。

 

ただし、労働契約上の労働義務に支障がなく、業務を阻害するおそれがないような特段の場合には、正当な行為に該当する可能性もあります。

 

また、ビラ配布については、会社に対する中傷等が書かれたビラであっても、その内容が真実であるときや、真実と信じることについて相当な理由がある場合には、それが組合活動として公共性を失わない限り、正当な行為に該当すると判断されています(東京地判平19.3.1労判945号77頁)。

 

ただし、ビラ配布等の行為は、休憩時間中であっても、局所内の施設の管理を妨げるおそれがあり、更に、他の職員の休憩時間の自由利用を妨げてその後の作業能率を低下させ、その内容いかんによっては企業の運営に支障をきたし企業秩序を乱すおそれがあることから、就業規則によって社内施設でのビラ配布を禁止したり、許可制とすることは合理的な制約であるとして有効とされています。

 

したがって、その規定に違反してビラ配布を行った場合には、実質的に事業所内の秩序風紀を乱す恐れがないという特段の事情のない限り、懲戒処分を行うことは可能となります。

 

ただし、当該組合活動が、正当な行為に該当しないと判断された場合でも、労働契約法は、懲戒処分について、「使用者が労働者を懲戒することができる場合において、当該懲戒が、当該懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情に照らして、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、当該懲戒は、無効とする」(労働契約法15条)と規定していますので、特に懲戒解雇など重い処分の場合は、具体的な事情に照らして懲戒解雇処分に相当性がないとされた場合には、懲戒権の濫用として無効となる場合があります。