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役員としての出向を命じることができるか?

最終更新日 2014年 09月30日
監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所 代表社員 弁護士 谷原誠 監修者:弁護士法人みらい総合法律事務所
代表社員 弁護士 谷原誠

出向とは、労働者が自己の雇用先(出向元)に在籍したまま、他の企業(出向先)の指揮命令下で業務に従事することをいいます。

 

役員出向とは、出向元では労働者ですが、出向先で取締役等の役員に就任する出向のことです。

 

役員出向ではない通常の出向の場合、出向について労働者の同意がない場合でも、就業規則に出向条項が定められており、出向先での労働条件等について労働者の利益に配慮した具体的な規定がある場合には、使用者は出向を命じることができます。

 

しかし、役員出向の場合は、株式会社と役員の関係は委任関係とされていますので(会社法330条)、役員として出向した労働者は、出向元との間では雇用契約、出向先との間では委任契約を結んでいることになり、双方とも雇用関係となる通常の出向とは大きく異なります。

 

また、取締役は会社に対し、忠実義務、競業避止義務、利益相反取引の制限など、会社法上さまざまな制限があり(会社法355条~360条)、さらに、会社に対しての損害賠償責任(会社法423条)や、第三者への損害賠償責任(会社法429条)などの重い責任を負うことになります。

 

したがって、選任された者の意思を尊重し、自覚をさせた上で同意を得ることが必要であると考えられています。

 

以上から、役員として出向させるためには、就業規則等による包括的同意では足りず、労働者の個別的同意が必要であると考えます。

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