再出向を命じることができるか?

再出向とは、出向先がその出向者を他の企業にさらに出向させること(二重出向)です。

 

まず、再出向について、二重派遣と類似する点があるため、二重派遣を禁止する職業安定法44条との関係で問題となりますが、出向は、出向元と労働者、出向先と労働者それぞれの間で労働契約関係が存在し、派遣先と派遣労働者との間で労働契約関係が存在しない派遣とは決定的に異なることから、再出向は、職業安定法で禁止されている労働者供給事業にはあたらないため、再出向は職業安定法44条に反するものではないといえます。

 

もっとも、出向とは、労働者が自己の雇用先(出向元)に在籍したまま、他の企業(出向先)の指揮命令下で業務に従事することをいいますが、労働者に出向を命じる権限はあくまで出向元にあるといえますので、出向先の判断のみによって当該労働者を再出向させることはできないと考えます。

 

また、仮に出向元及び本人の個別の同意を得て出向をさせる場合であっても、出向労働者の法律関係が複雑化し、労働者と出向元、出向先、再出向先との間でトラブルが生じることも懸念されますし、再出向についての個別の同意の有無についても、その同意が真意ではなかったとして後に争われる可能性もあります。

 

ですので、実際の対応としては、再出向を命じるのではなく、一度労働者を出向元に復帰させ、改めて新たな出向先に出向させるという通常の出向の手続によった方が望ましいといえるでしょう。